2016年4月1日金曜日

開業から一年がたちました

久々の更新です。
本日、開業届を出してからまる一年が経ちました。
この一年、不安でいっぱいでしたが、それ以上にたくさんの刺激的な現場に携わらせていただくことができたと、関係者のみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。

ここに来てようやく、仕事を楽しむということがわかってきたかなという感じです。
写真を通じて見た人にワクワクを伝えたい!そのためにはまず、自分自身が楽しもう。
そんな気持ちで日々の仕事と向き合い続けていきたいものです。

本日は年度初めということで撮影で関わったお仕事が情報公開になっていたりして。
http://odate-furusato.jp/
大館市のふるさと納税返礼品のカタログの撮影を担当させていただきました。
高校時代、独立前と過ごしたなじみのある街ですが、こうして撮影を通して見直すことで、新たな魅力に(特に食!)に気づくことができました。
比内地鶏はきりたんぽもいいですが、塩釜焼も絶品です(笑)

※撮影後のまかない。実際に食べて、食の魅力を堪能しました。

さて、2016年度もワクワクする撮影との出会いを期待しつつ、明日からまた精進してまいります。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いします!

2016年2月2日火曜日

【わらび座】どどぉ~ん!大曲花火物語

たざわこ芸術村 小劇場で30日に幕をあけた、わらび座の「どどぉ~ん!大曲花火物語」
30日は早々に満席になってしまったので、31日にお邪魔してきた。

幕があけたばかりで内容について触れるのは無粋なので、ネタバレしない程度に感想を。

言わずと知れた“大曲の花火”こと、「全国花火競技大会」。
その大曲の花火にまつわる人間模様を、過去と現在が交錯しながら、3人の俳優たちによって紡がれていく。
まさに「めくるめく展開」という表現がふさわしい。
過去と現在が、光や舞台とともにくるくると展開していく。
実話に基づく人間ドラマとミュージカルという組み合わせも新鮮。
(「為三さん!」も実話ではあるけど、もっと身近な時代背景という意味で)
舞台上、それも小劇場の空間で花火の描写をどう見せるのかが気になっていたのだが、「あぁ、そう来たか!」という感じ。これは美術さんと照明さんも考えたなぁ~

写真をやる者にとっては、「大曲の花火大会=最高の撮影スポット」という印象が強いのだけれど、それを支える人々の物語として見ると、また違った世界が見えてくる。
花火の下には、それを支える人々のドラマがある!


余談…
普段わらび劇場とセットでなかなかスポットライトが当たらないのだけど、「たざわこ芸術村 小劇場」は小劇場としてなかなか贅沢な空間だ。
都内でいえばスズナリみたいな雰囲気の、程よい広さと味のある小屋、という感じ。
秋田には小劇場と呼べる空間がないので、県内唯一の小劇場と言っていいかもしれない。
小劇場出の身としては、ここが秋田に小劇場文化を根付かせるきっかけの場になれば最高だなぁ、なんて考えたりもした。


※劇場まわりの写真を撮っていなかったので、途中で立ち寄った田沢湖の御座石神社での一枚を。
仙北市での仕事の際にはここにお参りするのが、昨年来の習わし。

2016年2月1日月曜日

【北秋田市 森吉・阿仁】マタギは生きる達人である

北秋田市の魅力は、生きるリアルを感じられることだ。
ここで生まれ育って32年(途中7年ほど抜けたけど)、今更ながらにそれを知った。



1月30日。ご縁があって、北秋田市の根森田地区の方々が中心で企画している「冬の農村体験ツアー」を見学させてもらった。
工程は2日間なのだけれども、翌日は予定があり1日のみオブザーバーとしての参加。

ここ最近、観光関係のセミナーやお仕事に関わる機会をいただくようになった。
そこで、「外から見た北秋田市の魅力」について客観的な意見を聞いてみたいという好奇心から参加させてもらったのだった。

しかし、そこにあったのは観光のための客観的意見などではなくて、「生きるためのリアル」であった。
何気なく見過ごしていた一行、「いちから作るきりたんぽ体験」。
この“いちから”が、想像を超えていた。
料理開始早々、運ばれて来たのは3羽の元気な比内地鶏!!!
“いちから”とは、鶏を絞めるところからだった…
ご飯をつぶしてきりたんぽを作るのはもちろん、比内地鶏も生きているところから解体して、
あますところなくその恩恵を授かろうという「きりたんぽ体験」。
料理体験の域を超え、生きるためのリアルを体験する時間だった。

※生き物が、“食材”として認識が変わる瞬間。
それに気づいた瞬間ハッとさせられる。

※藁を燃やした火で産毛を処理している。
本当に無駄というものがない。


最初は恐々な人もいたけれど、時間の経過と共にそれを受け入れ、
不思議な一体感があったほど。
最後にきりたんぽをいただく際に参加者の方々が口にしていた、
「マタギは生きるすべを知る人間の最高峰」
というフレーズが耳に残った。

きりたんぽを作る中で、生きるということを改めて向き合う。
そんな不思議な体験をした。

※おやつのみそ付けたんぽ。
薄くきれいに焼いたたんぽは香ばしさが違う!

※実行委員の織山さんがきりたんぽを作ってくれているところ。
自然の恵みがたくさんなのが見て取れる。

※新鮮な食材を手間暇かけて作ったきりたんぽ。
贔屓目抜きに、実に美味い!
地元にいてもこれほどのたんぽはなかなか出会えない。



2016年1月27日水曜日

深浦、そして驫木へ

仕事で深浦方面にお邪魔する機会があったので、道すがら久々のスナップを楽しむ。
今年は例年に増して、撮影という行為そのものを楽しめている。
前に以前勤めていた職場のBBQで行ったガンガラ穴。
冬の荒れた天気もまたよく似合う。


そして、足を延ばしたついでに最近話題の驫木駅へ。
レトロな駅舎はまさに旅情そのもの。
…なのだが、どうにも内陸線沿線に住むものにとっては“旅情”というより“日常”に感じられてしまう。
背景の海を林や山に変えてしまえば、既視感が半端ないのだ(非常に悲しいことではあるが)。
この画が“日常”に属するという感覚を、複雑な思いで受け止めつつ、帰路へとつくのであった。


2016年1月25日月曜日

【秋田の貌(かお)】

あまり「地元大好き」な発言をしない自分だが、これでもけっこう秋田に対する愛着は持っていたりする。

ただ、「秋田=豊かな自然!」みたいなステレオタイプなイメージで語られると「いやいや、もうちょいなんかあるでしょうよ~」と反感を抱いてしまうのである。
それが地元の人から出た発言ならなおさらだ。

個人的には、最近の秋田は「人」が面白いんじゃないかなと思っている。

秋田出身で各地で活躍する人たち、秋田へ移り住んできて、ここでの生活を楽しもうとする人たち…
そんな人たちに出会うと、みなエネルギッシュで人間的な魅力に満ちている。
彼らのポートレートを撮ることで、今一度【秋田の貌(かお)】を再発見しようじゃないかと密かにたくらみはじめている。

少し前のことになるけれど、「トラ男」プロデューサーや「シェアビレッジプロジェクト」村長として活躍する、武田昌大さんのポートレートを撮らせてもらった。
彼と話していると、地元にいる我々の方が秋田を知らないで過ごしていることに気づかされる。
秋田をよく知り、愛し、そして野心的だ。
秋田は「人」も、なかなか味があって面白い人揃いである。

※撮影させていただいたポートレートのアザーカット

2016年1月24日日曜日

津軽×写真

弘前の百石町展示館で開催されている、TSUGARU PHOTO MEETING 第2回写真展を見に行った。
元々はFacebook経由で写真展の存在を知ったのだけれど、そのDMのビジュアルがとても印象的だった。
ちょうど写真教室や写真サークルのあり方みたいなものについて考えていたこともあって、迷わず行くことに決めた。

会場には多数の写真が1・2階の全フロアに展示されていて、出展者も老若男女問わず幅広い。
さらには、カメラについても従来のデジタル・フィルムに加え、スマホのスペースまであるのだから面白い。
(この辺は、東川フォトフェスタの活気に通じるものがあるかも知れない)
しかも、これだけバラエティに富んだ顔ぶれながら、緊張感を失わない展示をされている。

青森といえば小島一郎や沢田教一など多くのカメラマンを輩出した土地だけれども、そのエネルギーは今も決して失われてはいない。
むしろ、様々な選択肢が増えたことでさらに豊かなものになったようにすら思う。

参加者のみなさんからそれぞれ違った角度からのお話しも伺えて、なんとも得難い時間だった。
いろいろと、やりたいことが明確になってきたな・・・

※写真は帰りの道すがら撮った一枚。岩木山とアップルストア(笑)
弘前はおそらく、世界で最もアップルストア密集率が高い街じゃなかろうか。

2016年1月23日土曜日

先輩あり遠方より来る、また楽しからずや

自分と同じ、旅行写真家協会に所属する写真家 加藤昭夫さんが愛知からやってきた。
東北各地を巡る、撮影旅行の途上とのこと。
東北各地の風俗を撮りためたブックを拝見し、改めて旅への気持ちを掻き立てられた。

旅行写真家協会に所属していながら、仕事では旅に関することをほとんどやれていないのが現状。
月末から小正月行事ラッシュ。東北の空気感を含んだ写真をもっと撮っていかねば!
大変よい刺激をいただきました。

※写真は先日田沢湖からの帰り際の一枚。最近撮った、旅を感じさせる一枚。

2016年1月9日土曜日

新年祝賀会

昨日は大館商工会議所の新年祝賀会へお邪魔してきました。
普段こういう場では撮影していることが多いので、カメラを持たずにいると妙にソワソワします。
新たな出会いや、お世話になった方々との再会がありました。


祝賀会の後は、ちょうど高校時代の剣道部メンバーが揃っていたので剣道部飲み会に。
このメンツが揃うと、けっこうな確率で面白いことが起こります。
(以前は某人気ドラマでおなじみの俳優さんに遭遇したり)


このパフェ、比較するものがなくてわかりづらいかもしれませんが、大の大人がひるむくらいのボリュームです。
昨日1日で摂取したカロリー、想像するだけで恐ろしい数値になりそうです。

2016年1月4日月曜日

舞台写真で振り返る2015

自分にとっては怒涛の一年となった2015年。
一番の変化は、昨日のブログでも取り上げていたけれど、かねてからの念願であった舞台写真を撮るようになったこと。
元々、学生時代に某演劇情報誌の編集アルバイトで舞台写真に憧れ、そこから舞台制作を経てカメラを手にしてしまった身なので、原点回帰の一年でもあった。
(10年ほど前、すすきののバーで「舞台写真撮ってみたいんですよ」ってボヤいてたのが、10年経ってようやくかなった)

その舞台写真たちの中で、個人的に印象に残っている写真をピックアップ。
2015年の振り返りと、新たな一年をさらに楽しいものにするためにコメント付きで掲載してみた。
これを見て、今まで見たことのなかったジャンルに興味を持ってくれる人がいたら幸いです。

劇団はちのす「風を継ぐ者」より
殺陣を撮るのがいかに難しいかというのを思い知らされた。バレエの比ではなかった。


わらび座「為三さん!」より①
この「秋田屋」のシーン、大好きだなぁ。
本筋からは外れるけど、とても大好きなシーン。
かすかな救いみたいなものが、この表情に現れているようで惹かれる。

わらび座「為三さん!」より②
成田為三という人間が、このシーンに凝縮されているような気がする。
もっとその気迫を掬いとりたかった!


演劇集団 砂地「唄わない冬」より
演出の船岩氏のつくる世界は相変わらず美しい。
それに比例するように、撮るのが難しくなる(笑)
ミニマルな明かりと人間模様をどう切り取るか、という点に尽きる。


わらび座「政吉とフジタ」より
藤田嗣治の「秋田の行事」をどう表現するかということで、
おそらく舞台美術さんは苦戦したんじゃなかろうか。
そういう意味では、これは完全に舞台美術家さんの勝利でしょうw

下町かぶき組「座長花形祭り」より
このシーンを撮っていて、大衆演劇のかっこよさを思い知らされた。
松井悠座長の狂気と色気が同居するような、お気に入りの一枚。


舞台の上で繰り広げられる生き様を、もっともっと掬い取っていきたい。
舞台写真を振り返って、改めてそう感じた。
2016年も魅力的な舞台との出会いがありますように。

※東北各地の劇団(東北に限らず)の劇団の皆様、舞台写真のオファーお待ちしております(笑)




2016年1月3日日曜日

劇場というゆりかご~「為三さん!」千秋楽で思ったこと

新年、明けましておめでとうございます。
本年もご愛顧のほどよろしくお願いします。

さて、本日は2016年の仕事はじめ。
地元の厄払いの集合写真を撮影し、その足でわらび座の「為三さん!」千秋楽へと駆けつけた。

※終演後のわらび劇場、まさに祭りのあと

「為三さん!」については、一言では語りつくせぬほどの思い入れがあるのだけれど、その自分の思いを差っ引いて考えても、地方で作る演劇の魅力が凝縮された舞台だと思う。
この舞台に出会ったことで、再び演劇とのつながりが生まれ、かつて演劇人だったころにお世話になった方々との再会もかなった。何より、演劇の可能性が持つ豊かさについて、かつてとは違う側面で気づくことができた。

印象的だったのは、終演後のロビーの様子。
リピーターと思しき方々がたくさんいて、それぞれが「為三さん!」との思い出を反芻しているようだった。
舞台作品というのは、人間ドラマを生み出すにはちょっと期間が短い。小劇場で2週間以上も上演したら、公演期間としては長い部類に入るだろう。
しかし、「為三さん!」の公演期間は10カ月、上演回数は200回弱に及ぶ。
この10カ月という上演期間の長さが、多くのドラマを生み、それぞれの中で熟成させていくことができたのだろう。
劇場って、舞台の上はもちろん、それぞれのお客さんのドラマを紡いでいくゆりかごのような場所なんだと、今更ながらに気づかされた。


この風景を、10年前、舞台制作やってたころの自分に見せてあげたいと思った。