2016年1月27日水曜日

深浦、そして驫木へ

仕事で深浦方面にお邪魔する機会があったので、道すがら久々のスナップを楽しむ。
今年は例年に増して、撮影という行為そのものを楽しめている。
前に以前勤めていた職場のBBQで行ったガンガラ穴。
冬の荒れた天気もまたよく似合う。


そして、足を延ばしたついでに最近話題の驫木駅へ。
レトロな駅舎はまさに旅情そのもの。
…なのだが、どうにも内陸線沿線に住むものにとっては“旅情”というより“日常”に感じられてしまう。
背景の海を林や山に変えてしまえば、既視感が半端ないのだ(非常に悲しいことではあるが)。
この画が“日常”に属するという感覚を、複雑な思いで受け止めつつ、帰路へとつくのであった。


2016年1月25日月曜日

【秋田の貌(かお)】

あまり「地元大好き」な発言をしない自分だが、これでもけっこう秋田に対する愛着は持っていたりする。

ただ、「秋田=豊かな自然!」みたいなステレオタイプなイメージで語られると「いやいや、もうちょいなんかあるでしょうよ~」と反感を抱いてしまうのである。
それが地元の人から出た発言ならなおさらだ。

個人的には、最近の秋田は「人」が面白いんじゃないかなと思っている。

秋田出身で各地で活躍する人たち、秋田へ移り住んできて、ここでの生活を楽しもうとする人たち…
そんな人たちに出会うと、みなエネルギッシュで人間的な魅力に満ちている。
彼らのポートレートを撮ることで、今一度【秋田の貌(かお)】を再発見しようじゃないかと密かにたくらみはじめている。

少し前のことになるけれど、「トラ男」プロデューサーや「シェアビレッジプロジェクト」村長として活躍する、武田昌大さんのポートレートを撮らせてもらった。
彼と話していると、地元にいる我々の方が秋田を知らないで過ごしていることに気づかされる。
秋田をよく知り、愛し、そして野心的だ。
秋田は「人」も、なかなか味があって面白い人揃いである。

※撮影させていただいたポートレートのアザーカット

2016年1月24日日曜日

津軽×写真

弘前の百石町展示館で開催されている、TSUGARU PHOTO MEETING 第2回写真展を見に行った。
元々はFacebook経由で写真展の存在を知ったのだけれど、そのDMのビジュアルがとても印象的だった。
ちょうど写真教室や写真サークルのあり方みたいなものについて考えていたこともあって、迷わず行くことに決めた。

会場には多数の写真が1・2階の全フロアに展示されていて、出展者も老若男女問わず幅広い。
さらには、カメラについても従来のデジタル・フィルムに加え、スマホのスペースまであるのだから面白い。
(この辺は、東川フォトフェスタの活気に通じるものがあるかも知れない)
しかも、これだけバラエティに富んだ顔ぶれながら、緊張感を失わない展示をされている。

青森といえば小島一郎や沢田教一など多くのカメラマンを輩出した土地だけれども、そのエネルギーは今も決して失われてはいない。
むしろ、様々な選択肢が増えたことでさらに豊かなものになったようにすら思う。

参加者のみなさんからそれぞれ違った角度からのお話しも伺えて、なんとも得難い時間だった。
いろいろと、やりたいことが明確になってきたな・・・

※写真は帰りの道すがら撮った一枚。岩木山とアップルストア(笑)
弘前はおそらく、世界で最もアップルストア密集率が高い街じゃなかろうか。

2016年1月23日土曜日

先輩あり遠方より来る、また楽しからずや

自分と同じ、旅行写真家協会に所属する写真家 加藤昭夫さんが愛知からやってきた。
東北各地を巡る、撮影旅行の途上とのこと。
東北各地の風俗を撮りためたブックを拝見し、改めて旅への気持ちを掻き立てられた。

旅行写真家協会に所属していながら、仕事では旅に関することをほとんどやれていないのが現状。
月末から小正月行事ラッシュ。東北の空気感を含んだ写真をもっと撮っていかねば!
大変よい刺激をいただきました。

※写真は先日田沢湖からの帰り際の一枚。最近撮った、旅を感じさせる一枚。

2016年1月9日土曜日

新年祝賀会

昨日は大館商工会議所の新年祝賀会へお邪魔してきました。
普段こういう場では撮影していることが多いので、カメラを持たずにいると妙にソワソワします。
新たな出会いや、お世話になった方々との再会がありました。


祝賀会の後は、ちょうど高校時代の剣道部メンバーが揃っていたので剣道部飲み会に。
このメンツが揃うと、けっこうな確率で面白いことが起こります。
(以前は某人気ドラマでおなじみの俳優さんに遭遇したり)


このパフェ、比較するものがなくてわかりづらいかもしれませんが、大の大人がひるむくらいのボリュームです。
昨日1日で摂取したカロリー、想像するだけで恐ろしい数値になりそうです。

2016年1月4日月曜日

舞台写真で振り返る2015

自分にとっては怒涛の一年となった2015年。
一番の変化は、昨日のブログでも取り上げていたけれど、かねてからの念願であった舞台写真を撮るようになったこと。
元々、学生時代に某演劇情報誌の編集アルバイトで舞台写真に憧れ、そこから舞台制作を経てカメラを手にしてしまった身なので、原点回帰の一年でもあった。
(10年ほど前、すすきののバーで「舞台写真撮ってみたいんですよ」ってボヤいてたのが、10年経ってようやくかなった)

その舞台写真たちの中で、個人的に印象に残っている写真をピックアップ。
2015年の振り返りと、新たな一年をさらに楽しいものにするためにコメント付きで掲載してみた。
これを見て、今まで見たことのなかったジャンルに興味を持ってくれる人がいたら幸いです。

劇団はちのす「風を継ぐ者」より
殺陣を撮るのがいかに難しいかというのを思い知らされた。バレエの比ではなかった。


わらび座「為三さん!」より①
この「秋田屋」のシーン、大好きだなぁ。
本筋からは外れるけど、とても大好きなシーン。
かすかな救いみたいなものが、この表情に現れているようで惹かれる。

わらび座「為三さん!」より②
成田為三という人間が、このシーンに凝縮されているような気がする。
もっとその気迫を掬いとりたかった!


演劇集団 砂地「唄わない冬」より
演出の船岩氏のつくる世界は相変わらず美しい。
それに比例するように、撮るのが難しくなる(笑)
ミニマルな明かりと人間模様をどう切り取るか、という点に尽きる。


わらび座「政吉とフジタ」より
藤田嗣治の「秋田の行事」をどう表現するかということで、
おそらく舞台美術さんは苦戦したんじゃなかろうか。
そういう意味では、これは完全に舞台美術家さんの勝利でしょうw

下町かぶき組「座長花形祭り」より
このシーンを撮っていて、大衆演劇のかっこよさを思い知らされた。
松井悠座長の狂気と色気が同居するような、お気に入りの一枚。


舞台の上で繰り広げられる生き様を、もっともっと掬い取っていきたい。
舞台写真を振り返って、改めてそう感じた。
2016年も魅力的な舞台との出会いがありますように。

※東北各地の劇団(東北に限らず)の劇団の皆様、舞台写真のオファーお待ちしております(笑)




2016年1月3日日曜日

劇場というゆりかご~「為三さん!」千秋楽で思ったこと

新年、明けましておめでとうございます。
本年もご愛顧のほどよろしくお願いします。

さて、本日は2016年の仕事はじめ。
地元の厄払いの集合写真を撮影し、その足でわらび座の「為三さん!」千秋楽へと駆けつけた。

※終演後のわらび劇場、まさに祭りのあと

「為三さん!」については、一言では語りつくせぬほどの思い入れがあるのだけれど、その自分の思いを差っ引いて考えても、地方で作る演劇の魅力が凝縮された舞台だと思う。
この舞台に出会ったことで、再び演劇とのつながりが生まれ、かつて演劇人だったころにお世話になった方々との再会もかなった。何より、演劇の可能性が持つ豊かさについて、かつてとは違う側面で気づくことができた。

印象的だったのは、終演後のロビーの様子。
リピーターと思しき方々がたくさんいて、それぞれが「為三さん!」との思い出を反芻しているようだった。
舞台作品というのは、人間ドラマを生み出すにはちょっと期間が短い。小劇場で2週間以上も上演したら、公演期間としては長い部類に入るだろう。
しかし、「為三さん!」の公演期間は10カ月、上演回数は200回弱に及ぶ。
この10カ月という上演期間の長さが、多くのドラマを生み、それぞれの中で熟成させていくことができたのだろう。
劇場って、舞台の上はもちろん、それぞれのお客さんのドラマを紡いでいくゆりかごのような場所なんだと、今更ながらに気づかされた。


この風景を、10年前、舞台制作やってたころの自分に見せてあげたいと思った。