2016年2月2日火曜日

【わらび座】どどぉ~ん!大曲花火物語

たざわこ芸術村 小劇場で30日に幕をあけた、わらび座の「どどぉ~ん!大曲花火物語」
30日は早々に満席になってしまったので、31日にお邪魔してきた。

幕があけたばかりで内容について触れるのは無粋なので、ネタバレしない程度に感想を。

言わずと知れた“大曲の花火”こと、「全国花火競技大会」。
その大曲の花火にまつわる人間模様を、過去と現在が交錯しながら、3人の俳優たちによって紡がれていく。
まさに「めくるめく展開」という表現がふさわしい。
過去と現在が、光や舞台とともにくるくると展開していく。
実話に基づく人間ドラマとミュージカルという組み合わせも新鮮。
(「為三さん!」も実話ではあるけど、もっと身近な時代背景という意味で)
舞台上、それも小劇場の空間で花火の描写をどう見せるのかが気になっていたのだが、「あぁ、そう来たか!」という感じ。これは美術さんと照明さんも考えたなぁ~

写真をやる者にとっては、「大曲の花火大会=最高の撮影スポット」という印象が強いのだけれど、それを支える人々の物語として見ると、また違った世界が見えてくる。
花火の下には、それを支える人々のドラマがある!


余談…
普段わらび劇場とセットでなかなかスポットライトが当たらないのだけど、「たざわこ芸術村 小劇場」は小劇場としてなかなか贅沢な空間だ。
都内でいえばスズナリみたいな雰囲気の、程よい広さと味のある小屋、という感じ。
秋田には小劇場と呼べる空間がないので、県内唯一の小劇場と言っていいかもしれない。
小劇場出の身としては、ここが秋田に小劇場文化を根付かせるきっかけの場になれば最高だなぁ、なんて考えたりもした。


※劇場まわりの写真を撮っていなかったので、途中で立ち寄った田沢湖の御座石神社での一枚を。
仙北市での仕事の際にはここにお参りするのが、昨年来の習わし。

2016年2月1日月曜日

【北秋田市 森吉・阿仁】マタギは生きる達人である

北秋田市の魅力は、生きるリアルを感じられることだ。
ここで生まれ育って32年(途中7年ほど抜けたけど)、今更ながらにそれを知った。



1月30日。ご縁があって、北秋田市の根森田地区の方々が中心で企画している「冬の農村体験ツアー」を見学させてもらった。
工程は2日間なのだけれども、翌日は予定があり1日のみオブザーバーとしての参加。

ここ最近、観光関係のセミナーやお仕事に関わる機会をいただくようになった。
そこで、「外から見た北秋田市の魅力」について客観的な意見を聞いてみたいという好奇心から参加させてもらったのだった。

しかし、そこにあったのは観光のための客観的意見などではなくて、「生きるためのリアル」であった。
何気なく見過ごしていた一行、「いちから作るきりたんぽ体験」。
この“いちから”が、想像を超えていた。
料理開始早々、運ばれて来たのは3羽の元気な比内地鶏!!!
“いちから”とは、鶏を絞めるところからだった…
ご飯をつぶしてきりたんぽを作るのはもちろん、比内地鶏も生きているところから解体して、
あますところなくその恩恵を授かろうという「きりたんぽ体験」。
料理体験の域を超え、生きるためのリアルを体験する時間だった。

※生き物が、“食材”として認識が変わる瞬間。
それに気づいた瞬間ハッとさせられる。

※藁を燃やした火で産毛を処理している。
本当に無駄というものがない。


最初は恐々な人もいたけれど、時間の経過と共にそれを受け入れ、
不思議な一体感があったほど。
最後にきりたんぽをいただく際に参加者の方々が口にしていた、
「マタギは生きるすべを知る人間の最高峰」
というフレーズが耳に残った。

きりたんぽを作る中で、生きるということを改めて向き合う。
そんな不思議な体験をした。

※おやつのみそ付けたんぽ。
薄くきれいに焼いたたんぽは香ばしさが違う!

※実行委員の織山さんがきりたんぽを作ってくれているところ。
自然の恵みがたくさんなのが見て取れる。

※新鮮な食材を手間暇かけて作ったきりたんぽ。
贔屓目抜きに、実に美味い!
地元にいてもこれほどのたんぽはなかなか出会えない。